活動日誌

博物館で行われるイベントレポートや日々の様子などをご紹介します。

鳥居講の富士山頂旧鳥居を移設しました(2016/11/20)

 平成16年に岩淵鳥居講により富士山頂へ奉納された白木の
鳥居が、本年7月末日でその役目を終えました。富士山かぐや
姫ミュージアムではこの鳥居をご寄贈いただき、2階玄関前へ
富士山信仰関連文化財として屋外展示いたしました。 
           館長 木ノ内義昭

 平成16年(2004)富士市岩淵(旧富士川町)の集落の人びとに
より構成される「鳥居講」というグループによって、富士山頂に白
木の鳥居が奉納されました。岩淵は、富士川の右岸に位置し、東海
道・富士川の渡船や通船で栄えた集落ですが、かつては蒲原宿と吉
原宿の間宿でもありました。
 岩淵では渡船の船材を富士山の神領から手に入れていたことから
その返礼として、12年に一度、申年に白木の鳥居を富士山頂に奉
納するようになったといわれています。
 鳥居の奉納は、江戸時代からはじまり、渡船の廃止後も途切れる
ことなく続いており、富士山信仰にかかわる貴重な伝統行事で、申
年にあたる本年の8月7日に新たな鳥居が富士山頂に奉納されまし
た。
それにともない、平成16年に奉納された鳥居は12年間の役目を
終え、麓におろされ、この度、広見公園内の当館2階玄関前へと移
設されました。
 ところで、平成25年6月22日、第37回世界遺産委員会にお
きまして 、富士山は世界文化遺産に登録されたわけでございますが
その正式な登録名称は「 富士山-信仰の対象と芸術の源泉」です。
 このことからも、鳥居講の奉納鳥居と一連の行事は、世界文化遺
産としての最も重要な要素である、富士山信仰の姿の一端を今に伝
える山頂の信仰施設を構成する極めて貴重な文化遺産といえます。
 当館では、この鳥居を富士山の世界文化遺産登録に併せ、本市に
とってもかけがえのない貴重な有形民俗文化財として、保護・保存
すると共に、当館へ訪れる多くの皆様にご観覧いただければと、展
示公開方法を模索し、岩淵鳥居講委員会の皆様をはじめ展示検討委
員会や博物館協議会の中で協議を重ねてまいりましたが、最終的に
広見公園と連結する本館の2階玄関前に屋外展示物として設置する
こととなりました。
 さて、今回、岩淵鳥居講委員会様よりご寄贈いただきました鳥居
でございますが、富士宮口登山道を登り詰めた富士山頂あります富
士山本宮浅間大社の奥宮の直下に奉納・建立されていたものです。
 以来、12年の間、猛烈な風や雪・雨に耐え、70万人余の登山
者がくぐり抜けてきたものです。
 今年の8月7日の新たな鳥居の奉納に先立ち、役目を終えたこの
鳥居は、本年7月29日に岩淵鳥居講の皆様により解体され、ブル
ドーザーにより5合目まで降ろされ、岩淵へ運ばれ、文化財として
屋外での保存・公開に耐えられるよう、これまで防防虫防腐薬剤の
含侵処理作業を行っておりました。
 ところで、当館では、本年4月のリニューアルにより、様々な富
士山信仰をご紹介しておりますが、岩淵鳥居講のコーナーも新設い
たしました。
展示コーナーには大正時代に奉納された鳥居の実物大レプリカを設
置しておりますが、今回、屋外展示いたします鳥居と比べてコンパ
クトなものであります。鳥居の大きさに時代背景などが見て取れ、
興味深いものがあります。屋外展示の鳥居と併せてご観覧いたらけ
れば幸いです。
 富士山頂で12年もの間、厳しい環境を耐え抜いた本物は、迫力
が違いますよ。是非ご覧下さい。

                 富士山かぐや姫ミュージアム
                 館長 木ノ内義昭

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