活動日誌

博物館で行われるイベントレポートや日々の様子などをご紹介します。

富士山かぐや姫ミュージアムの将来像(2018/11/07)

加速する長寿社会の中で、博物館の果たすべき責務とは何かを見定め、博物館経営の大転換へ向けての指標を考えてみました。
                      館長:木ノ内義昭

-長寿社会と博物館の大転換へ向けて-
富士山かぐや姫ミュージアムの将来像
                                ~館長 木ノ内義昭~                         
博物館の将来像を考える上で、前提となる社会環境でございますが、昨今100年人生時代という言葉をよく耳にします。我が国は世界でも類を見ない超高齢長寿国と言われ、加えて晩婚化並びに出生率が低下し、少子化が急速に進むと共に、若者を中心に、地方から東京等大都市へ人口が流出し、歯止めが掛からない状況です。
これを受け当館におきましても、超高齢長寿社会に対応した施設の再整備と、運営の大転換が喫緊の課題となっております。
本市におきましても、長寿者が年々増える一方で、若者の人口減少が急速に進んでおります。当館では、これまで学校教育と連携した事業をはじめ、小学生を中心とした子供や、一般成人を対象とした企画展やワークショップ等につきましては積極的に取り組んでまいりましたが、熟年層を対象とした能動的な事業については実際のところほとんど実施しておりませんでした。
一方、利用者の年代層を見てみますと60代~70代の方が多く、四半世紀前には非常に少なかった80代以上の方もかなり増え、近年は高齢者デイサービスや老人ホーム入所者の福祉目的での利用も見られるようになり、熟年層が博物館利用者の中核を担っております。この傾向は今後益々加速するものと考えられます。
熟年層の利用者でございますが、心身が健康な方につきましては、知的レクリエーションの場・生涯学習の場としてこれまで通り博物館を御利用いただければと思います。
しかしながら、高齢により体の自由が利かなくなった方や、認知症などを抱え、他者の介助なしには生活の質の維持ができなくなった方、デイサービスを御利用されている方、施設に入所後単調な生活になりがちで生活に刺激を求めている方々につきましては、博物館としてもハード・ソフト両面において高齢者福祉を主眼とした特別な施設整備・対応・プログラムが必要となります。
このような課題に対して、近年、回想法を取り入れた各種プログラムの実施や、高齢者福祉施設・医療機関・NPO・福祉系大学等と連携した事業により、実績を上げている先進博物館が見られるようになってまいりました。
遅まきながら、当館におきましても回想法のプログラム研究や、福祉施設・機関との連携に向けてのアクションを始めたところです。
恐らく、当館のような公立の歴史系郷土博物館は、社会教育施設であることは当然ですが、現在注力しております文化観光に加え、今後は長寿社会に適応した福祉サービスの一翼を担う施設としても位置づけられるものと想定されます。
そのようなことからも、福祉・医療関連機関や施設・組織・人との連携が肝要であります。現在、市では第6次総合計画の策定に入っておりますが、博物館では、分館の歴史民俗資料館や歴史ゾーンを含め、将来を見据え、高齢者にやさしい施設へ大転換すべく、包括的整備構想の検討に着手しました。これらハード面の整備構想には、長寿社会への対応施策を積極的に盛り込み、且つ、高齢者対象のソフト事業と組み合せて策定することが肝要です。
そのためには、博物館自体が、福祉・医療関係機関や組織との強く連携していくことが不可欠となります。

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