博物館第1展示室の「街道と宿場」コーナーには、
吉原宿本陣模型が展示されています。
この本陣模型は、吉原宿の下の本陣と呼ばれた長谷川八郎兵衛の邸宅を復元したものです。
本陣は江戸時代に大名・公家・幕府役人などの身分の高い人々が宿泊・休憩するところで、
参勤交代の制度が始まった寛永12年(1635)ごろから整備されていったといわれています。
▲吉原宿:長谷川本陣模型(1/100)製作:鈴木修司
大名行列が到着すると、街道に面した板間に直接長持・駕籠などを運び込み、
大名などは表御門から駕籠に乗ったまま敷台まで進み、ここで駕籠からおりて玄関へ上がりました。
奥の御上壇は、大名などが宿泊・休憩する部屋で、ほかの部屋より一段高くなっていました。
大名が使う湯殿(風呂)や雪隠(トイレ)も専用のものがあり、
本陣裏手には火災などの非常事態に備えて御退口(非常口)が設けられました。
土間を隔てた左手は、一般に本陣家の主屋とされており、家族はここで生活していたようです。
家臣や荷物が多い場合は、この主屋も宿泊部屋や荷物置き場として使われることがあったようです。
下の本陣・長谷川家は、現在の吉原2丁目のコンドウ薬局付近にあったといわれています。
周辺に大きな建物などほとんどなかったでしょうから、
御上壇に腰を落ち着けた大名などは、御書院に臨む庭とともに、
雄大な富士の眺めを楽しんだのかも知れませんね。
当 主 | 屋敷の広さ | 建物の広さ | |
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上の本陣 | 神尾六左衛門 | 630坪(2,083㎡) | 204坪(674㎡) |
下の本陣 | 長谷川八郎兵衛 | 570坪(1,884㎡) | 259.5坪(858㎡) |