収蔵品紹介

  解説

江戸時代初期からはじまった富士川舟運は、甲州など富士川上流部の年貢米を効率よく運搬するいわゆる｢下げ米」と、海のない内陸部に生活必需品である塩を運ぶいわゆる｢上げ塩」という主な目的を持っていた。この図に描かれるように上り舟は、舟の舳先につないだ綱を船頭が川岸で曳いて歩く方法がとられた。そのため下りは1日あれば上流の甲州三河岸(鰍沢・青柳・黒沢)から下流の岩渕(現庵原郡富士川町)に到達したが、上りは4日ほどかかったという。昭和3年に富士身延鉄道(現JR身延線)の甲府ー富士間が全線開通したことにより、およそ3