戦国の世が終わり平和な江戸時代になると、人々は教養を得るために読書をするようになりました。この背景には木版製本により、大量に商品として書籍が出版されるようになったことをはじめ、各地で和紙の生産が行われるようになったこと、作られた和紙や書籍を各地へ運ぶ流通網が整備されたこと、人々の識字率が向上したこと、都市部を中心に本屋(書肆)が増加したことがあります。この結果、江戸時代には“ベストセラー”と呼ばれる本が誕生することとなりました。
出版された書籍も多様なジャンルに分かれ、教養を深める歴史書や思想書、実用的な農業書や健康書、史実をもとに創作された物語や人の喜怒哀楽を描いた小説などがありました。
本展示では、富士山かぐや姫ミュージアムと富士市立富士文庫が所蔵する江戸時代に出版された書籍を展示するとともに、当時の政治の動向や社会情勢についてもご紹介します。
( 2025/02/22 更新 )