収蔵品紹介

静岡県富士市の富士山かぐや姫ミュージアムの収蔵品をご紹介しています。

製紙業の発展を支えたもの

明治23年(1890)の富士製紙の操業開始以降、富士市域では製紙工場が次々と設置され、同時に東海道線の停車場や馬車鉄道など交通網の整備も進みました。大正時代には23社もの工場が新たに設立され、「紙のまち」の様相を呈するようになりました。この状況を受けて県立の製紙工業試験場(現在の静岡県工業技術センター)も設置されました。工業試験場で使われた試験用の機械や、明治から昭和のはじめにかけて操業していた製紙会社に関わる資料を紹介します。

「佐野熊ナプキン」資料

「佐野熊ナプキン」は、明治38年(1905)に現在の富士市内に設立された、紙ナプキンの加工工場です。機械すき和紙工場として全国でも草分けである原田製紙(現在の富士市原田、明治27年設立)では、ナプキン原紙を製造しており、戦前には全国一の生産量がありました。このナプキン原紙の印刷・加工を行っていたのが、「佐野熊ナプキン」でした。紙ナプキンは、明治時代後半から戦前にかけて、おもに輸出用として盛んに生産されていました。

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