リトグラフ(石版画)は、18世紀末にドイツで発明された版画の技法で、日本には江戸時代末期に伝わりました。明治時代になると製作技法が広まり、マニュアル本も刊行されました。以降、風景画や人物画、雑誌の挿絵などに広く用いられました。
富士山を描いた石版画も数多く出版されました。その構図は、江戸時代に出版された富士山の浮世絵を参考にしているようすが見られます。
石版画の多くは東京などの都市部で出版され、都市部で生活する人びとが買い求めました。時代や技法が変わっても、富士山を描いた作品は人びとから求められ続けたのです。
今回の展示会では、石版画に描かれた富士山をご紹介します。100年前の人びとが楽しんだ富士山の姿をご覧ください。
( 2023/06/16 更新 )